2007年11月27日火曜日

NQOCD

とは、“Not Quite Our Class Darling”の略で、「彼(彼女)はわれわれの階級に属していない」、つまり身分が低すぎると、えらそうな父親が、あるいはつんと澄ました母親が、いけだかにあるいは心配そうに、息子(娘)に行って聞かせる言葉らしい。最近読んだ「イングリッシュローズの庭で」と言う小説に出てきた。

思い返せば、ジェーン・オースティンの小説には、この NQOCD が、あるときは主なメロディとなり、あるときはサブメロディとなって、流れている。

代表作である「高慢と偏見」が面白いのは、この NQOCD が主なメロディだからだろう。そればかりだけではないが。

まったくダーシー氏の一族にとっては、エリザベスは NQOCD だった。

ところで、現代小説を面白くするのはいったいなんだろう、と考える。NQOCD に代わる新しい偏見、それは社会の枠組みを固定しているものだろうが、それはあるのかないのか、あるとすればなんだろうか。

Second Life-Vevice 3

赤いイブニングドレスを着た若い女性にあった。今回二人目の遭遇。こんどこそは、と声をかけたが、ないている。「どうしたの」、と聞くと、「英語、わからない、チャオチャオ」とイタリア語で答えた。猫女もイタリア語はしゃべれない。コミュニケーション不能。とりあえず「チャオチャオ」と応答したら、突然消滅。

まあいいか。この格好にもかかわらず、返事してくれたから。ベニスに旅行するのなら、さようなら、こんにちは、どうしたの、くらいの基本的なイタリア語は必須だなあと公開する猫女でした。

ベニスはきれいだ。建物の装飾も、運河も、ゴンドラも、丁寧に作ってある。星空もきれいだ。昼間来てみたいものだが、いったい何時に接続すればいいのやら。セカンドライフだけで生きているわけではないので、必然的に夜行性の猫になる。

すぐ近くにアバター二体いるらしいが、地上には見当たらない。飛行中だろうか。

2007年11月25日日曜日

Second Life-Venice 2

猫サンクチュアリの二人の悲報に、傷心の猫女アバター。明け方のベニスで涙にくれる。足元がおぼつかないので、手前の運河に落ちた(どこかに落ちるのが習慣になったのかもしれない)。運河は深くて、水は濃い青で、きれいだが非常に怖かった。

近くに人影を発見。いつも夜中か夜明けにしか出歩かないので、人に出会うのは非常に珍しい。うれしくなって、徒歩で近づくと若い女性。話しかけようとしたが、突然消滅。ログアウトか、テレポートか?

でもなぜ? この猫女の格好に恐れをなしたのだろうか…。またもや落ち込む猫女…。

2007年11月16日金曜日

たくさんのお別れ


この二、三年で、猫サンクチュアリのたくさんの猫にお別れを言わなければならなかった。
今度は黒雪だった。

まだ二歳にもなっていなかったのに、突然死んだ。
彼女の体重と同じくらいのつつましい死だった。
猫たちの死は、みな彼らの身体の重さにぴったり合ってつつましい。

死んで初めて、彼女がいかに多くの愛と信頼を与えてくれたかに気づく。

今は死んだすべての猫たちが、飢えも寒さもなく、穏やかに眠っていることを願うばかりだ。

2007年11月11日日曜日

Second Life-Venice


テレポートした先は、紫色の模様の壁の前。ふらふら浮遊していたので、着地。ここはどこ? 劇場の中?ふかふか(多分)の絨毯が敷き詰められ、すわり心地のいい椅子が並んでいる。

出口と書いてあるところから出たいのだけれども、ドアのノブにどうやって触ればいいのかしら。何しろ不自由なアバターの身。

まあ、いずれにしろベニスビーチよりはベニスのほうが感じよさそう。来週ゆっくり散策しよう。その前にここから出ないとね。

Second Life-Venice Beach-4

気を取り直して地図を眺めた。しかし、どこに何があるのかよくわからないので、とりあえず飛行。

おお、なんと、かなたに見えるのはあのハリウッドではないですか! 我慢した甲斐があったとずんずん飛んで飛んだが、「進入禁止」の赤いテープにぶちあたる。

やっぱりね。ここいらは金持ちの街だ。私有地と進入禁止の街だ。

ベニスビーチで学んだことは、「飛行」中に「飛行停止」ボタンを押すと、アバターが無様にこけるという点だ。自然に着地してこけないようにするには、「PageDown」キーを押せばいいみたい。

ベニスビーチ漫遊はこれでおしまい。次はどこに行こうかなあ。やっぱり本物のベニスか、あるいはパリか、ロンドンか。

2007年11月6日火曜日

Second Life-Venice Beach-3

ローカルタイムは朝の六時。真っ暗なので太陽を調整して正午にした。

正面に見えるのはベニスビーチ。ここにいたるまでまたばかげた失敗がいくつか。飛行でベニスビーチにたどり着こうとしたが、私有地で着陸禁止。じっとしているのにどんどん上昇するばかり。怖かった。貧乏人は空に行け、ということか。怒った。再び徒歩で侵入を企てるが、入り江に水没。海底を歩くことになった。それでも私有地のため、侵入できず。

カール・マルクスのなんだったっけ、初期の論文であった共有地に関するものがちらりと頭を掠めた。

あきらめて引き返すとまた、例のバスに遭遇。なんだ、ぐるぐる回っていただけだったのか。

「風景の中に自然の水の見えたときの、深い心の喜びを…」

大昔の国語の教科書に載っていた詩だ。が、あれは自然の水ではなく、デジタルの水。魚も貝もすまない、死の水だ…。喜びもデジタルのバーチャルで、干からびそう。

ベニスビーチ、いやになっちゃったな。

2007年11月5日月曜日

Second Life-Venice Beach 2

バスに乗れなかったのはかなり悔しい。てれてれ歩くのもいいが、これが結構難しい。舗道は狭いし、自動車道路にはみ出して、車に轢かれたらいやだ。そこで、飛んでみた。

飛んでる写真は初めて!!

適当に着地しようとしたが、最初はがけ下に落ちた。次はかろうじてがけから落ちずに済んだが、アバターがこけた。普通の人間みたいにひざをついたような格好になり、面白い。アバターだから、怪我をしないのでいいが、これがリアルだったら大変。

どこかの裏庭に侵入したらしく、高級車とヘリコプターが止まっていた。金持ちの家らしい。他人の所有物だから、うっかり乗ったら、今度は警察のお世話になりそうだ。

飛行を続けると…、海だ! ベニスビーチだ!(次回に続く)

2007年11月4日日曜日

Second Life-Venice Beach

先週の火曜日、長屋で記念撮影した後、いろいろなことがあった。

まず、ロックグループからハローウィーンパーティのお誘いがあり、「あなたのためだけに歌います」というふれこみだったが、テレポートしてみると無人のステージで、案の定終わっていた。

もうひとつ、別口でショーのお誘いもあり、お仕事もありますよ、ということで、ちょっと心惹かれた(いい加減一文無しから脱出したかった)が、「nude」という言葉に恐れをなし、辞退した。

週末だからなあ、旅行でもしようと、思い、検索でベニス(イタリアの)を見たら、人がいっぱい。これでは、渋谷のときみたいに門前払いを食わせられそうだったので、次善の策として、ベニスビーチ(ハリウッド)に行くことにした。

テレポート先の目の前はメインストリートのファッションハウス。人通りなし。ちょうど停車していたバスに乗ろうとしたが、失敗。多分支払い能力がないせいだろう。「バスくらいただで乗せろよな」と口汚くののしる。一文無しはつらい。

今回は少しベニスビーチに滞在し、あちこち散策してみることにした。