2007年11月27日火曜日

NQOCD

とは、“Not Quite Our Class Darling”の略で、「彼(彼女)はわれわれの階級に属していない」、つまり身分が低すぎると、えらそうな父親が、あるいはつんと澄ました母親が、いけだかにあるいは心配そうに、息子(娘)に行って聞かせる言葉らしい。最近読んだ「イングリッシュローズの庭で」と言う小説に出てきた。

思い返せば、ジェーン・オースティンの小説には、この NQOCD が、あるときは主なメロディとなり、あるときはサブメロディとなって、流れている。

代表作である「高慢と偏見」が面白いのは、この NQOCD が主なメロディだからだろう。そればかりだけではないが。

まったくダーシー氏の一族にとっては、エリザベスは NQOCD だった。

ところで、現代小説を面白くするのはいったいなんだろう、と考える。NQOCD に代わる新しい偏見、それは社会の枠組みを固定しているものだろうが、それはあるのかないのか、あるとすればなんだろうか。

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