2009年2月11日水曜日

野生の鹿、獣医さんに行く

これは、アメリカの Rossford という町にあるペット用品のチェーンストア、PetSmart で本当にあっただ。

午後1時20分ころ、PetSmart のマネージャは、後ろ足に怪我をした鹿が、ペットショップのごみ捨て用缶の間にいるのを気づいた。血に染まった雪の中にいた鹿は、飛び上がって、ビルの倉庫に続く、開いたばかりのドアめがけて走ってきた。いったん中に入ると、左後ろ足から血を垂らしながら床に横たわった、とマネージャのTrudi Urie は語った。
スタッフはすばやく行動し、店舗エリアへの入り口をふさいだ。「血まみれの鹿が抜け出して、店舗エリアに行くのだけは避けたかった」と彼女は言う。

動物を扱える警官を呼んでくるのが一番いい、と判断したが、すぐ近くにはRossford署に電話をかけられる店員が誰もいなかった。

そこで、PetSmart 内にある動物病院で働くCuesta 医師を呼んだ。Cuesta 医師は、雌鹿を調べて、足以外はいい健康状態にあるのがわかったので、倉庫で雌鹿に適切な治療を施した後、野生に戻すことができる、と、後で警官に説明した。

Cuesta 医師によると、鹿の足には二三箇所深い傷があり、骨が毛皮から見えたが、傷の原因が何かわからなかったそうだ。処置に立会った人は、傷や不慣れな環境にもかかわらず、鹿は驚くほど落ち着いていた、と語った。

クリニックの助手は鹿を押さえつけ、驚かないように頭に白いタオルを置いた。Cuesta 医師は麻酔剤を傷の上に置き、鹿の皮膚の下に電解液を与え、解ける糸で縫って傷を閉じ、痛み止めと感染を防ぐ抗生物質を与えた。

手当てが終わり、誰もいなくなると、鹿は、ドアから出て行った。しばらく Wendy’s の駐車場で立ち止まり、数秒ぶらつき、それから草原に走り去り、見えなくなったそうだ。

教えてくれたのは、長年の友人である David Fiedler 氏である。