2010年8月25日水曜日

ますます内乱のように

http://www.youtube.com/watch?v=jordT1Kuc88

X-Patriate は Alan J. Lipman が詩を書き、曲を作り、歌い、楽器を演奏している、いわば一人バンドだ。
Alan も変わっていて、本職はボストンで開業する精神科医だ。


今回もX-Patriate のアルバム『ラファイエットパークからの挨拶』(Greetings From Lafayette Park)に収録された『ますますもって内乱のようだ』(More and More Like A Civil War)を解釈してみた。

どういうことだろう。何が「内乱のよう」なのだろう。

われわれの生活が? 都市生活が? 一歩外に出ると、他人を敵のように扱い、ぶつかり合い、押し合いへし合い、空のタクシーを争い、地下鉄の中では空席を争い、レストランでは席を争う。

軽快な音楽に乗って、「ますますもって内乱」状態が続く。

平和はいつ訪れるのか。休戦協定は結ばれるのか。その日は人類最後の日かも知れない。


Music, Lyrics, Instruments, Vocals by Alan J. Lipman
From "Greetings From Lafayette Park" (OneSuch 1091)
Copyright 2008-10
Alan J. Lipman/X-Patriate Music
All Rights Reserved

『ますます内乱のように』(More and More Like A Civil War)

http://www.youtube.com/watch?v=jordT1Kuc88


今回もX-Patriate のアルバム『ラファイエットパークからの挨拶』(Greetings From Lafayette Park)に収録された『ますます内乱のように』(More and More Like A Civil War)を翻訳してみた。

ますます内乱のようだ
以前は秩序があった
かつては戦闘だったが
今はそんなものではない

ますます内乱のようだ
ますます内乱のようだ
ますます内乱のようだ

ますます
線が描かれたようだ
休戦や平和の公算は
ほとんどないようだ

砦は武装され
夜明けは見えない

ますます
線が描かれたようだ
ますます
線が描かれたようだ

ますます内乱のようだ
以前は秩序があったが
開いたドアがほとんど押されている

ますます内乱のようだ
弱弱しい絆はどれも
ついに引き裂かれ
ますます内乱のようだ
邪悪なわめき声をあげ
旗をつかむ

ますます内乱のようだ
ますます内乱のようだ
ますます内乱のようだ

Music, Lyrics, Instruments, Vocals by Alan J. Lipman
From "Greetings From Lafayette Park" (OneSuch 1091)
Copyright 2008-10
Alan J. Lipman/X-Patriate Music
All Rights Reserved

2010年8月11日水曜日

彼女に欠けていたものは…X-Patriate“A Physical Thing”

X-Patriate「体だけのこと」(A Physical Thing)の私的解釈

http://www.youtube.com/user/xpatriatemusic

今回は X-Patriate のアルバム『ラファイエットパークからの挨拶』(Greetings From Lafayette Park)に収録された「体だけのこと」(A Physical Thing)について。

ある女性がいる。彼女はワシントン DC にあるどこかの役所で働いている。多分、立派な肩書きがあるのだろう。夫もいるかもしれない。夫は政府の高官かのもしれない。ひょっとして、子供もいて、授業料の高い私立の学校に通っているかもしれない。

結婚していないとしたら、やはり長年付き合った、企業か政府機関かの高いポストにあるボーイフレンドがいるだろう。

ところで、最近、彼女は男と寝た。

寝た男がどこの誰か、ということはあまり関係ない。彼女がそういうことをした、というのが重要なのだ。

寝た場所は、少しは重要かもしれない。名の通ったホテルの部屋か、あるいは情事専門の安っぽいホテルか。他人の情事の記憶の詰まった部屋は、彼女を圧倒しただろう。

なぜなら、彼女は多分、育ちのいい女性で、名門大学を出て、それまで付き合った男たちは、彼女をそういう場所に連れて行かなかっただろうからだ。

夫かあるいはボーイフレンドがたまたま連れてきた、見知らぬ男、あるいはすっぽかされたデートでたまたま声をかけてきたバーの男かもしれない。

でも、ほんとうに、相手の男のことはどうでもいいのだ。

なぜ、彼女はそんなことをしたのだろう。

彼女は、「単なる体だけの関係」だという、月並みな言い訳をしたが、それでは、体以上の関係が重たくなったのだろうか。

でも、「単なる体だけの関係」は、彼女を打ちのめさなかっただろうか。彼女にかけていたのは「単なる体」だったのかもしれないのに。

A Physical Thing
Lyrics, Music, Instruments, Vocals by Alan J. Lipman
From "Greetings From Lafayette Park" (OneSuch 1091)
Copyright 2006-10
Alan J. Lipman/X-Patriate Music
All Rights Reserved

「体だけの関係」…X-Patriate“A Physical Thing”

http://www.youtube.com/user/xpatriatemusic

今回は X-Patriate のアルバム『ラファイエットパークからの挨拶』(Greetings From Lafayette Park)に収録された「体だけの関係」(A Physical Thing)を訳してみた。

彼女は御伽噺を
でっちあげ
それで正当化した

それは
体だけの関係

彼女は思ってもいないものを
ほしがったが
なぜほしいのか
わからなかった

それは
体だけの関係

覚めていたいと思い
怒っていたいと思い
プライドを持ちたいと思いつつ

それは
体だけの関係

それらを示すこと
現実的であること
締め出すこと
断固としていること

それは
体だけの関係

彼女はありたい自分で
あるべきだ
そうよね?

でもそれは
思ったような方法
ではなかった?

恐怖でいっぱいで
欲望でいっぱいで
嘘がうまい

彼女は混乱しているけれど
混乱そのものが嘘か?

それは
体だけの関係

それは
体だけの関係

(間奏)

いつか
さえない終わりが訪れ
その気もなくなる

彼女は通りを
歩いて下る
手に
バッグを持ち

そして
勝ち取ったもののこと
を考える

そして
彼女が「勝ち取った」もの
のことだけを
考える

ああ
それは
体だけの関係
それは
体だけの関係

それは
体だけの関係
それは
それは

体だけの関係
体だけの関係
体だけの関係
体だけの関係

(オーケストラ:カリヨン、チャイム、一連のピチカート、犬のほえる声、電話、地下鉄の通り過ぎる音、フェード)

http://www.youtube.com/user/xpatriatemusic

A Physical Thing
Lyrics, Music, Instruments, Vocals by Alan J. Lipman
From "Greetings From Lafayette Park" (OneSuch 1091)
Copyright 2006-10
Alan J. Lipman/X-Patriate Music
All Rights Reserved