2014年7月19日土曜日

猫サンクチュアリ年代記 16:一人遊びが好きな小雪


小雪は雪の娘だ。2002年にはもう、雪と一緒に大猫サンクチュアリにいた。白い部分の多い白黒猫で、非常に美しく、シャイと言うより一人でいるのが好きな猫だった。誰もいなくなった夕方の猫サンクチュアリで、走ったり木に登ったり、自転車のかごに飛びついたり、中で寝転んだりして遊んでいた。

母親の雪との絆は意外に強く、雪が大迫害を逃れて近くの自動車用駐車場に避難していたときも、後を追ってやってきた。そのころ私は雪を含めて小雪、カンジの三匹の猫に、毎晩ご飯を運んでいた。盛大に歓迎の声を上げる雪のはるか後ろに、小雪の姿がいつもあった。

雪と同様、ほかにも人間の友達がいたのだろうか、数ヶ月姿を見ないことがあったが、ある日、自転車置き場の奥のほうを小雪が歩いているのを見かけたので、安心したことがある。

小雪もまた賢い猫だった。冬の寒い夕方、自転車置き場の植え込みにある背の低い街灯の上に座り、手足を温めていた。蛍光灯なのでそんなに暖かくはなかっただろうが。

雪が死んだのは2009年の7月だった。クロードがいなくなったのも2009年の夏だ。

それから約半年後、2010年の2月1日、小雪は動物病院で死んだ。2009年の秋、病気で倒れていたのをNさんが救助し、自宅に連れて帰り、病院で治療を受けていたのだ。ある種のがんだったそうだ。何回か入院し、何回か猫サンクチュアリに脱走したそうだ。

最後は病院の、乾いた暖かいベッドで死んだのだが、それは彼女にとってせめてもの救いだと思う。

夕方の猫サンクチュアリで今も一人遊んでいる猫、それが小雪だ。


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